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レンダリング

  

はじめてのレンダリング

モデリングで犬の置物を形作り、マテリアルで質感を表現し、テクスチャで表面の模様も表現しました。 さらにライティングやカメラの配置も終えました。

後は、レンダリングを行って3DCGを描くだけです。 では、レンダリングを行って完成した犬の置物の画像を表示しましょう。

レンダリング

それでは、レンダリングを行いましょう。 なお、レンダリングの対象となるのは、有効なコレクションに格納されているオブジェクトのみです。 つまり、描画するオブジェクトやライトおよびカメラが配置されている全てのコレクションが有効になっている必要があります

現状、必要なコレクションは全て有効になっているので、今回はコレクションの操作は不要です。 一応、コレクションが有効になっていることを確かめておきます。 Outlinerを見てみましょう。

1. Outlinerでコレクションの有効/無効を確認
1. Outlinerでコレクションの有効/無効を確認

上図のようにOutlinerのコレクション "Dog"、"Light"、"Camera" のアイコンの右のチェックボックスがオンになっています。

このチェックボックスがコレクションの有効/無効を切り替えるためのものです。 チェックボックスがオンになっているということは、コレクションが有効だということです

続いて、Propertiesをレンダリング用のタブに切り替えます。

2. Render Propertiesタブをクリック
2. Render Propertiesタブをクリック

上図のようにPropertiesのRender Propertiesタブをクリックします

3. Render Engineが "Eevee" になっていること
3. Render Engineが "Eevee" になっていること

上図のようにレンダリング関連の項目群が表示されますので、Render Engineが "Eevee" になっていることを確認します。 Render Engineはレンダリングエンジンを選択するための項目です。

すでに説明したように、レンダリング処理とは座標や質感を与えられた物体を計算によって画像化することです。 レンダリングエンジンとはレンダリング処理を行う心臓部のことで、Blenderには、Eevee、Workbench、Cyclesの3つのレンダリングエンジンが搭載されています

Eevee、Workbench、Cyclesの3つのレンダリングエンジンの特徴は以下の通りです。

レンダリングエンジン 特徴
Eevee
(標準レンダリングエンジン)
・Blender 2.8系で登場
・高速
・高品質
Workbench ・Blender 2.8系で登場
・3D Viewport内の表示で利用される
・最終的な画像の生成には向かない
・超高速
・低品質
Cycles ・Blender 2.61で登場
・低速
・超高品質

次に、レンダリングで生成する画像のファイル形式を設定します。 Propertiesを出力用のタブに切り替えます。

4. Output Properties
4. Output Properties

上図のようにPropertiesのOutput Propertiesタブをクリックします

では、画像のファイル形式を設定しましょう。 今回はJPEG形式にします。

5. File Formatの選択リストをマウスの左ボタンでクリック
5. File Formatの選択リストをマウスの左ボタンでクリック

上図のようにFile Formatの選択リストをマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

6. 画像のファイル形式の一覧からJPEGを選択する
6. 画像のファイル形式の一覧からJPEGを選択する

上図のように画像のファイル形式の一覧が表示されますので、一覧からJPEGを選択します

これで準備ができました。 実際にレンダリングしてみましょう。

7. Render -> Render Imageを実行
7. Render -> Render Imageを実行

上図のようにトップバーのプルダウンメニューの"Render" -> "Render Image"を実行します(またはキーボードのF12を押します)。

  
キーボードのF12を押すことで、どのエリアからでも、またどのモードからでもレンダリングを開始することができます。

レンダリングウィンドウが開き、レンダリング処理が開始されます。 PCの性能によってはレンダリング結果が表示されるまでに時間がかかることもありますが、辛抱強く待ってください。

8. レンダリング結果
8. レンダリング結果

上図のようにレンダリング処理が終わるとレンダリング結果が表示されます。 うーん、ちょっと暗いですね

明るくするためにライトを増やしましょう。 最初からあるポイントライトを複製することでライトを増やします。 今までやったことのないオブジェクトの複製の機能を使ってみましょう。

作業しやすいように上面図の位置に視点を移動します。 キーボードのテンキーの7を押してください。

9. 視点を上面図の位置へ移動
9. 視点を上面図の位置へ移動

上図のように視点を上面図の位置へ移動します。 次に、ポイントライトを選択します。

10. ポイントライトを選択する
10. ポイントライトを選択する

上図のようにポイントライトを選択します。 では複製します。 キーボードのSHIFT + Dを押してください

  
"Duplicate" から連想して覚えましょう。
11. オブジェクトが複製されて移動できる状態になる
11. オブジェクトが複製されて移動できる状態になる

上図のように選択の枠がオレンジ色から白色に変わります。 これは、オブジェクトが複製され、複製されたオブジェクトが移動できる状態になっていることを表しています。

キーボードのカーソルキー(↑↓←→)やマウスの移動で複製されたオブジェクトを移動することができます。

12. 複製されたポイントライトを移動する
12. 複製されたポイントライトを移動する

上図のように複製されたポイントライトをカメラとは逆の体の横まで移動します。 このように、Blenderではオブジェクトを複製することもできます。

  
Blenderには、複製元と複製先でデータが共有される『リンク付き複製』の機能もあります。 詳細は、知っておきたい機能 > ファイルとデータ管理 > リンク付き複製でドキュメント内でデータを共有するで後ほど説明します。

では、再度レンダリングしましょう。 キーボードのF12を押します。

13. レンダリング結果
13. レンダリング結果

上図のようにレンダリング結果が明るくなります。 まだまだ改善の余地のある『犬の置物』ですが、はじめての作品としては十分満足できる出来栄えではないでしょうか。

なお、レンダリング結果はキーボードのALT + Sを押すことでファイルに保存することができます

  
キーボードのESCを押すことで、レンダリングウィンドウを閉じることができます。

犬の置物の制作作業は完了です。 お疲れ様でした。 次の章からは、簡単なアニメーション3DCGの制作に入ります。

  

モデリングにはトラックボール?

筆者は、10年以上前からトラックボールを愛用しています。 それまではマウスを使っていたのですが、もう、トラックボール無しでは生きていけません

マウスカーソルを大きく動かす時の操作性はマウスよりも優れています。 また、ボタンを押す時にマウスカーソルがずれるということがありません。 ボールに触れない限りマウスカーソルは動かないからです。

きっかけは、腱鞘炎でした。 庭の木(枯れていない)をノコギリで切り倒したのですが、それが原因で手首を痛め、数ヶ月たっても痛みが治まらない状態でした。 朝から夕方までPCに向かって作業していることがほとんどなので、それが負担になって治らないということもわかっていました。

トラックボールは腱鞘炎になりにくいということは知っていたので、マウスからトラックボールに変えることに。 トラックボールではケンジントンというメーカが一番有名とのことだったのですが、マウスと形状が大きく離れており、人差し指でボールを操作するというものだったためケンジントンは諦めました。

色々と他のメーカのトラックボールを物色した結果、LOGICOOL製品を買うことに。 マウスに形状が近く、マウスから乗り換えるのに最適そうだったことが一番の理由です。 親指でボールを操作し、ボタンは人差し指や中指で操作するため、マウスの操作にすごく似ています。

また、実売価格が6,000円前後ながら『3年保証』だという点も魅力でした。

  
現在のLOGICOOLのトラックボールは、モデルによって2年保証のものもあれば1年保証のものもあります。

マウスに近い操作性の製品を買いましたが、購入してから数日はすごい違和感を感じました。 10日もすれば違和感は感じなくなりましたが、まだ、馴染んだという状態にはなりませんでした。 トラックボールに完全に馴染んだと言えるようになるまで、2・3ヶ月はかかったでしょうか。

トラックボールに馴染んでからは、もうコイツが手放せなくなりました。 マウスカーソルを遠くに動かすときには、ボールを勢い良く弾けばいいんです。 ボールは慣性で回り続け、マウスでは何度もマウスパッドから浮かせないといけない距離にでも一発でたどり着きます

また、ボタンを押した時にマウスカーソルがずれないことにも、涙が出るほど感激でした。 マウスを使っていて困るのが、ボタンを押した時にマウスが動いてマウスカーソルがずれてしまうことです。

フォトショップやGIMPのような画像処理ソフトウェアではピクセル単位で貼り付けることが良くありますが、トラックボールだとずれないんです

ちなみに、マウスのように本体を動かさないため、乾電池の重さが気になりません。 マウスでは、乾電池の重さが気になって有線マウスしか使わないという方も多いと思いますが、トラックボールなら関係ないです。

また、単三電池1本なのに1日8時間使って1年近く乾電池がもちます。 細かいことですが、消費電力も優秀です

  

まとめ

キーボードのF12を押すとレンダリングが開始されます。

レンダリング結果は、キーボードのALT + Sを押すことでファイルに保存することができます。

操作/コマンド 説明
SHIFT + D 選択中のオブジェクトを複製する
F12 レンダリングする
ALT + S レンダリング結果をファイルへ保存する
ESCキー レンダリングウィンドウを閉じる
 
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