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胴体のモデリング(オブジェクトモード)

  

胴体のモデリング

まずは、胴体をモデリングします。 立方体のメッシュを加工して胴体の形状を作り上げていきます。

すでに、自動的に作成された立方体のメッシュがありますが、このメッシュは削除し、新たな立方体のメッシュを作成します。 なお、一度削除してから新たに作成するのは、オブジェクトの削除と新規作成の操作を説明するためです。

視点と投影方法およびモードの変更

まずは、視点を正面図の位置に移動し、投影方法を平行投影に切り替えます。 さらに、モードをオブジェクトモードにします。

キーボードのテンキーの1を押し、正面図の位置に視点を移動します(マウスカーソルが3D Viewport上にあること)。

  
 
テンキーのないキーボードを利用している場合は、ナビゲーションギズモの旋回ギズモの緑色の丸ハンドル(Yという字の描かれていない方)をクリックします。

もし、投影方法が透視投影になっている場合は、キーボードのテンキーの5を押して平行投影に切り替えます

  
 
テンキーのないキーボードを利用している場合は、ナビゲーションギズモの投影方法の切り替えボタンで切り替えましょう。
1. 正面図で平行投影の状態
1. 正面図で平行投影の状態

上図のように3D Viewportの左上に "Front Orthographic" と表示されていれば正面図で平行投影になっています。

  
透視投影の場合は "Front Perspective" と表示されます。

次に、モードを確認します。 3D Viewportのヘッダのモード選択リストがオブジェクトモード(Object Mode)になっているかを確認し、なっていなければオブジェクトモードに切り替えます。

2. オブジェクトモードへの切り替え
2. オブジェクトモードへの切り替え

上図のようにオブジェクトモードになっていることを確認します。

オブジェクトモードというのは、オブジェクト単位で編集を行うためのモードです。 一方、オブジェクトを構成する部位の単位で編集を行うためのモードをエディットモードといいます。

立方体のメッシュでいえば、メッシュそのものを移動したり削除するのがオブジェクトモードで、メッシュの一部の頂点や辺および面のみを対象に編集するのがエディットモードです。 ここではメッシュそのものを削除するため、オブジェクトモードで作業する必要があります。

モード 解説
オブジェクトモード オブジェクトそのものを編集する
エディットモード オブジェクトを構成する部位の単位で編集する

立方体のメッシュの削除

では、自動的に作成された立方体のメッシュを削除しましょう。 オブジェクトを削除するには、まずはそのオブジェクトを選択する必要があります。 オブジェクトを選択するには選択ツールを使用します。

1. ツールバーの選択ツールを選択
1. ツールバーの選択ツールを選択

上図のように3D Viewportの左端にあるツールバーから選択ツールを選択します(またはキーボードのSHIFT + スペースキー -> Bを押します)。

では、立方体のメッシュを選択しましょう。 立方体のメッシュをマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

2. 立方体のメッシュを選択
2. 立方体のメッシュを選択

上図のように立方体のメッシュが選択状態になり、オレンジ色の枠で囲まれます。 何度も説明しているように、オレンジ色は選択されている状態を表しています。

立方体のメッシュが選択されているこの状態で、キーボードのXを押します。

3. Deleteを実行
3. Deleteを実行

上図のように"OK?"というタイトルのメニューが表示されますので、"Delete"を実行します(またはキーボードのEnterキーを押します)。

4. 立方体のメッシュが削除される
4. 立方体のメッシュが削除される

上図のように立方体のメッシュが削除されます。

  
キーボードのDELETEキーを押すことでも、選択中のオブジェクトを削除することができます。 DELETEキーで削除する場合は、確認のメニューは表示されません。

立方体のメッシュの作成

次に新しい立方体のメッシュを追加します。 キーボードのSHIFT + Aを押します

1. Mesh -> Cubeを実行
1. Mesh -> Cubeを実行

上図のように"Add"というタイトルのメニューが表示されますので、"Mesh" -> "Cube"を実行します。

2. 3Dカーソルの位置に立方体のメッシュが追加される
2. 3Dカーソルの位置に立方体のメッシュが追加される

上図のように3Dカーソルの位置に立方体のメッシュが追加され、かつ、選択された状態になります。

  
3D Viewportのプルダウンメニューの"Add" -> "Mesh" -> "Cube"を実行することでも立方体のメッシュを追加することができます。

3Dカーソルが座標中心からずれている場合は、立方体のメッシュは座標中心には作成されません。 その場合は、今作成した立方体のメッシュを削除し、さらに、3Dカーソルを座標中心に戻してから、立方体のメッシュを再度作成します

3Dカーソルは、3D Viewportのプルダウンメニューの"Object" -> "Snap" -> "Cursor to World Origin"を実行することで座標中心(X=0.0、Y=0.0、Z=0.0)に戻すことができます。

  
キーボードのSHIFT + S -> "Cursor to World Origin"を実行することでも3Dカーソルを座標中心(X=0.0、Y=0.0、Z=0.0)に戻すことができます。

なお、Cubeのようにあらかじめ用意されている基本図形をプリミティブといい、以下のような種類があります。

プリミティブ 説明
Plane 平面
Cube 立方体
Circle 円(実際は多角形)
UV Sphere 球体
Ico Sphere 球体(三角形の面で構成)
Cylinder 円柱
Cone 円錐
Torus ドーナツ
Grid 格子
Monkey
  
余談ですが、プリミティブの猿にはスザンヌという名称が付けられており、Blenderのマスコット的な存在になっています。

続いて、作成した立方体のメッシュをコレクション "Dog" に移動します。 キーボードのMを押してください。

3. Dogを実行
3. Dogを実行

上図のように"Move to Collection"というタイトルのメニューが表示されますので、"Dog"を実行します。

4. コレクション "Dog" に移動されている
4. コレクション "Dog" に移動されている

上図のように立方体のメッシュがコレクション "Dog"の下に移動します。

  

立方体のメッシュの位置を調整

胴体の元となる立方体のメッシュは、座標中心(X=0.0、Y=0.0、Z=0.0)に位置しています。

1. 立方体のメッシュを選択
1. 立方体のメッシュを選択

上図のようにZ=0.0の面(赤線)を地面と考えると、立方体のメッシュは下半分が地面に埋まっている状態です。 立方体のメッシュを上方向に移動し、X軸の線(赤)に底面が重なるように調整しましょう。

オブジェクトを移動させる方法には、移動マニピュレータを使用する方法と使用しない方法があります。

  
マニピュレータは、Blender 2.8系から "オブジェクトギズモ" という名称に変わりました。 本ウェブサイトでは、Blender 2.7系までの "マニピュレータ" という名称で記述しています。

移動マニピュレータでの移動

まずは、移動マニピュレータを使用して移動させましょう。 移動マニピュレータは、移動ツールを選択することで表示されるようになります

2. ツールバーの移動ツールを選択
2. ツールバーの移動ツールを選択

上図のように3D Viewportの左端にあるツールバーから移動ツールを選択します(またはキーボードのSHIFT + スペースキー -> Gを押します)。

  
"Grab"(つかむ) から連想して覚えましょう。
3. 移動マニピュレータが表示される
3. 移動マニピュレータが表示される

上図のように移動マニピュレータが表示されます。 移動マニピュレータの赤色・青色の矢印は、赤ハンドル・青ハンドルです。 また、視点方向へ向いているため見えませんが緑ハンドルもあります。

赤・緑・青ハンドルはX・Y・Z軸に対応しています。 例えば、赤ハンドルをドラッグして操作すると、移動はX軸方向に限定されます。

  
XYZ が RGB に対応している、と考えれば覚えやすいでしょう。

なお、白色で描かれている円形は円ハンドルです。 円ハンドルは、軸方向を限定せずに移動する場合に使用します。

  
例えば、赤ハンドルをドラッグして操作すると、移動はX軸方向に限定されます。 一方、円ハンドルで操作すれば軸方向が限定されることがなく、自由に移動させることができます。

では、移動マニピュレータを使って立方体のメッシュの移動を行いましょう。 移動方向をZ軸方向に限定するため、青ハンドルで操作します。 CTRLキーを押しながら移動マニピュレータの青ハンドルをマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でドラッグしてください。

  
キーボードのCTRLキーを押している間は、オブジェクトがグリッド単位で移動します。
4. CTRLキーを押しながら青ハンドルをドラッグ
4. CTRLキーを押しながら青ハンドルをドラッグ

上図のようにCTRLキーを押しながら青ハンドルをドラッグします。 赤色の矢印はドラッグの動きを表しています。

CTRLキーおよびマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)は離さないまま、3D Viewportの左上に注目してください。

5. ヘッダに表示される移動量
5. ヘッダに表示される移動量

上図のように3D Viewportのヘッダ部に数値が表示されています。 これは、移動の操作中に表示される移動量です

このように、移動の操作中は3D Viewportのヘッダに移動量が表示されます。 どれぐらい移動するかを数値として確認することができます。

では、立方体のメッシュの底面がX軸の線(赤)に重なった状態でマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)を離してください。

6. 立方体のメッシュを移動する
6. 立方体のメッシュを移動する

上図のように立方体のメッシュの底面がX軸の線(赤)に正確に重なるように移動します。 CTRLキーを押しながら移動したことで、グリッドに正確に合わせることができました

今は使用しませんが、ドラッグ中にキーボードのSHIFTキーを押すことで、移動量が小さくなります(細かい調整ができます)。 また、キーボードのCTRLキーとSHIFTキーを同時に押すことでグリッドの1/10の単位で移動することができます。

  
SHIFTキーを押す場合は、ドラッグを開始してから押しましょう。 SHIFTキーを押したままドラッグを開始すると別の意味として解釈されます。
  
ドラッグの開始時にSHIFTキーを押していると、その軸方向以外に移動が制限されます。 例えばSHIFTキーを押しながら赤ハンドルをドラッグすると、Y軸・Z軸方向にしか移動できなくなります。
  
CTRLキーは、ドラッグを開始時に押していてもドラッグ開始後に押しても同じ意味になります。

編集の取り消しとキーボードでの移動

移動した立方体のメッシュを元の位置に戻し、再度、移動します。 編集の取り消しと移動マニピュレータを使用しない移動の方法を説明するため、あえて元の位置に戻します。

では、キーボードのCTRL + Zを押してください。

7. 立方体のメッシュを元の位置へ戻す
7. 立方体のメッシュを元の位置へ戻す

上図のように立方体のメッシュが元の位置に戻ります。 キーボードのCTRL + Zを押すと、最後の編集作業が取り消され、1つ前の状態に戻ります。 今回の操作では、移動した立方体のメッシュが元の位置に戻ります。

  
今は使用しませんが、キーボードのSHIFT + CTRL + Zを押すことで、取り消された編集作業が再実行されます(CTRL + Zとは逆に進みます)。

では、再度、立方体のメッシュを上方向に移動します。 先ほどは、移動マニピュレータで移動させましたが、今回は移動マニピュレータは使用せずにキーボードとマウスで移動します。

まずは、操作方法を説明しますので、まだ操作はしないでください

キーボードで移動を開始するにはキーボードのGを押します。

  
"Grab"(つかむ) から連想して覚えましょう。

移動を開始すると、選択の枠がオレンジ色から白色に変わり、キーボードのカーソルキー(↑↓←→)やマウスの移動で、オブジェクトを移動することができるようになります。 移動の確定はキーボードのEnterキーまたはマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)です

なお、マニピュレータでの移動と同様に、キーボードのCTRLキーを押すことでグリッド単位で移動させることができます。 同じく、キーボードのSHIFTキーを押すことで細かい移動が可能となります。

では、実際に操作を行いましょう。 立方体のメッシュが選択されている状態で、キーボードのGを押します。 立方体のメッシュの枠がオレンジ色から白色に変わり、キーボードのカーソルキー(↑↓←→)、もしくはマウスの移動でメッシュを移動することができるようになります。

正確に移動できるように、キーボードのCTRLキーを押しながらマウスを動かし、3D Viewportのヘッダに表示されるZ軸方向の移動量が 1.0 になっていることを確認したら、マウスの左ボタン(マウスの左ボタン)を押して確定します(キーボードのEnterキーでも確定できます)。

8. 立方体のメッシュが移動される
8. 立方体のメッシュが移動される

上図のように(地面のように見える)X軸の線(赤)に立方体のメッシュの底面が重なるように調整します。

  
キーボードで移動を開始する場合(移動マニピュレータを使用しない場合)は、移動ツールを選択する必要はありません。 選択ツールなどの他のツールが選択された状態でも、キーボードのGで移動を開始することができます。

次の記事へ

では、長くなりましたので、ここで一区切りします。 続きは次の記事を参照ください

  

まとめ

視点や投影方法は、いつでも自由に移動したり切り替えることができます。

操作/コマンド 説明
1(テンキー) 視点を正面図に移動する
3(テンキー) 視点を側面図に移動する
7(テンキー) 視点を上面図に移動する
5(テンキー) 透視投影と平行投影を交互に切り替える

Blenderにはモードがあり、オブジェクトそのものを編集するならオブジェクトモード、オブジェクトを構成する部位の単位で編集するならエディットモードで作業します。

モード 解説
オブジェクトモード オブジェクトそのものを編集する
エディットモード オブジェクトを構成する部位の単位で編集する

キーボードのXまたはDELETEキーを押すことで選択中のオブジェクトを削除することができます。

操作/コマンド 説明
X オブジェクトを削除する
※確認のメッセージが表示される
DELETE オブジェクトを削除する
※確認のメッセージは表示されず即座に削除される

Addメニューから新たなオブジェクトを作成することができます。 なお、あらかじめ用意されている基本図形をプリミティブと呼びます。

操作/コマンド 説明
SHIFT + A Addメニューを開く

オブジェクトは3Dカーソルの位置に作成されます。 なお、3Dカーソルはいつでも座標中心に戻すことができます。

操作/コマンド 説明
(3D Viewportのプルダウンメニュー)
"Object"
-> "Snap"
-> "Cursor to World Origin"
3Dカーソルを座標中心(X=0.0、Y=0.0、Z=0.0)に移動する
(3D Viewportのプルダウンメニュー)
"View"
-> "Align View"
-> "Center View to Cursor"
3Dカーソルの位置を画面中心にする

移動マニピュレータを使って、選択中のオブジェクトを移動させることができます。 移動マニピュレータは移動ツールに切り替えることで表示されます。

また、キーボードのGで移動を開始することもできます。 移動を開始すると選択の枠がオレンジ色から白色に変わり、キーボードのカーソルキー(↑↓←→)やマウスの移動で、オブジェクトを移動することができるようになります。

操作/コマンド 説明
SHIFT + スペースキー
-> G
移動ツールを選択する
G オブジェクトを移動する

移動中は、3D Viewportのヘッダ部に移動量が数値で表示されます。

なお、移動中にキーボードのCTRLキーを押すことで、グリッド単位での移動が行えます。 また、キーボードのSHIFTキーを押すことで細かい操作が行えます。 CTRLキーとSHIFTキーを同時に押すと、グリッドの1/10の単位での移動になります。

マニピュレータで移動する場合は、SHIFTキーはドラッグを開始してから押しましょう。 そうしないと別の意味として解釈されます。 SHIFTキーを押した状態でマニピュレータのハンドルのドラッグを開始すると、その軸方向への移動が制限されます。

操作/コマンド 説明
(移動中)
CTRL押下
グリッド単位での移動
(移動中)
SHIFT押下
細かい移動
(移動中)
CTRL + SHIFT押下
グリッドの1/10単位での移動

キーボードのCTRL + Zを押すことで変更を取り消すことができます。 SHIFT + CTRL + Zを押すことで、取り消された編集作業が再実行されます(CTRL + Zとは逆に進みます)。

 
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