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胴体のモデリング(エディットモード)

  

ここからはエディットモードでモデリング

ここまでの作業では、オブジェクトモードでメッシュの移動と拡大縮小を実施しました。 しかし、オブジェクトモードでどれだけ移動や拡大縮小を実施しても形状は六面体のままです

ここから先は、メッシュを犬の胴体の形に加工しなければなりませんが、そのためにはオブジェクトモードではなく、エディットモードで作業を行う必要があります。 エディットモードであれば、メッシュの一部の頂点や辺および面を編集することができます。

モード 解説
オブジェクトモード オブジェクトそのものを編集する
エディットモード オブジェクトを構成する部位の単位で編集する

では、エディットモードでのモデリングの解説に入ります。

視点とモードの変更

まずは、視点を移動させましょう。 現在の側面図の視点では、メッシュは平面にしか見えません。

このままではモデリング作業が難しいので少し視点を移動します。 キーボードのテンキーの4を2回、続けて8を2回押します

1. 視点を移動する
1. 視点を移動する

上図のように視点を側面図から左方向に30度、上方向に30度の位置に移動します。 これで奥行きのあるメッシュとして見えるようになりました。

次に、オブジェクトモードからエディットモードへ切り替えます

2. メッシュを選択
2. メッシュを選択

上図のようにメッシュを選択していることを確認し、キーボードのTABキーを押します

3. エディットモードへの切り替え
3. エディットモードへの切り替え

上図のように3D Viewportのヘッダのモード選択リストがEdit Mode(エディットモード)に切り替わります。 このように、TABキーを押すことで素早くエディットモードに切り替えることができます

  
再度、キーボードのTABキーを押すとオブジェクトモードに戻ります。
4. エディットモードのメッシュの表示
4. エディットモードのメッシュの表示

上図のようにエディットモードに切り替わると表示が変化します。 全体的に頂点と辺がオレンジ色になっていますが、オレンジ色は選択されていることを表しています。 つまり、メッシュ全体が選択状態であるということです。

  
オブジェクトモードでもエディットモードでもオレンジ色が選択状態を表します。

エディットモードでの編集方法

エディットモードでのモデリングを始める前に、エディットモードでの編集方法について大まかに説明しておきます。 エディットモードでは、メッシュを構成する頂点、または辺、または面を選択して操作を行います

メッシュの構造
メッシュの構造

マウスの左ボタンのクリックで選択

選択は、オブジェクトモードと同じく、マウスの左ボタン(マウスの左ボタン)で行います。

なお、キーボードのSHIFTキーを押しながら選択すると追加選択になるのもオブジェクトモードと同じです。 また、キーボードのAで全選択され、ALT + Aで全選択解除されるのも同様です。

頂点・辺・面の選択の切り替え

頂点・辺・面のどれで選択するかは、頂点選択モードボタン・辺選択モードボタン・面選択モードボタンで切り替えます。

頂点選択モードボタン・辺選択モードボタン・面選択モードボタン
頂点選択モードボタン・辺選択モードボタン・面選択モードボタン

上図のように3D Viewportのヘッダに頂点選択モードボタン・辺選択モードボタン・面選択モードボタンが並んでいます。 このボタン群で、頂点・辺・面のどれで選択するかを切り替えます

  
キーボードの 1 を押すことでも頂点選択モードに切り替えることができます。 同様にキーボードの 2 を押すことで辺選択モードに、キーボードの 3 を押すことで面選択モードに切り替えることができます。

隠れた部位の表示と選択について

エディットモードでは、他の面の後ろに隠れている部位を透過させて表示するかどうか・選択可能にするかどうかを透過ボタンで切り替えることができます。

透過ボタン
透過ボタン

上図のように3D Viewportのヘッダに透過ボタンがあります。 この透過ボタンをオンにするとメッシュの表示が透過になり、他の面で隠れている部位も選択できるようになります

透過ボタンのオン/オフによる違い
透過ボタンのオン/オフによる違い

上図のように透過ボタンのオン/オフによってメッシュの表示が変化し、透過ボタンがオンであれば他の面で隠れている部位が透けて見えるようになります。 また、透けて見えるだけでなく、選択することもできるようになります

頂点や辺の選択では最も近い位置が選択される

頂点や辺での選択では、マウスの左ボタン(マウスの左ボタン)のクリック位置に最も近い部位が選択されます。 つまり、頂点を選択する場合は、頂点の近くでマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)を押せばよく、マウスカーソルが頂点と重なっている必要はありません(辺でも同様です)。

ただし、離れすぎていると選択することはできません。 ある程度の距離内に頂点や辺がない場合は、全選択解除されます

  
面の選択ではマウスカーソルが面と重なっている必要があります。
  

メッシュに切れ目を入れる

では、エディットモードでのモデリングを進めましょう。 最初にやるのはメッシュの細分化です

現在、メッシュはただの6面体です。 6面体をどれだけ変形させても『犬の胴体』には見えません。 そこで、メッシュに切れ目を入れ、より細かなモデリングを行えるようにします。

ループ切断

Blenderに限らず、3DCGソフトウェア製品には細分化の機能が備えられています。 Blenderの細分化の機能には様々な種類のものが用意されていますが、ここではループ切断を使って面を細分化します。

ループ切断とは、豆腐を包丁で切るように切れ目を入れる機能です。 まずは、水平に2本の切れ目を入れます

選択モードは、頂点選択モードでも辺選択モードでも面選択モードでも構いませんが、ここでは頂点選択モードで選択するものとして説明します。

1. 頂点選択モードになっている
1. 頂点選択モードになっている

上図のように今回は頂点選択モードで作業を行います。

  
キーボードの 1 を押すことでも頂点選択モードに切り替えることができます。
2. エディットモードになっていること
2. エディットモードになっていること

上図のようにエディットモードになっていることを確認し、キーボードのCTRL + Rを押します。 ループ切断モードに切り替わりますので、マウスカーソルをメッシュの垂直の4本の辺のどれかに近づけます。

3. 切断線を表す黄色の線が表示される
3. 切断線を表す黄色の線が表示される

上図のようにマウスカーソルが辺に近づくと切断線を表す黄色の線が表示されます。 なお、切断線は、マウスカーソルから最も近い辺と垂直になります

続いて、切断線を2本にするため、キーボードの2を押します(テンキーの2でも、キーボード上段の2(ひらがなの"ふ"の刻印のあるキー)でも構いません)。

  
マウスのホイール(マウスのホイール)の上回転・下回転でも切断線の本数を増減することができます。
4. 切断線の本数を2本に増やす
4. 切断線の本数を2本に増やす

上図のように切断線が2本になったことを確認し、マウスの左ボタン(マウスの左ボタン)を押して切断位置の決定に進みます。

5. 切断線をスライドさせる
5. 切断線をスライドさせる

上図のように切断線がオレンジ色に変わり、キーボードのカーソルキー(↑↓←→)やマウスの移動で切断線をスライドできる状態になります。

なお、スライド中は、3D Viewportのヘッダにスライド量(Edge Slide)が数値で表示されます。

  
キーボードのCTRLキーを押すことで0.1単位で切断線をスライドすることができます。
6. 切断線の位置を3等分の位置へ移動する
6. 切断線の位置を3等分の位置へ移動する

上図のようにオレンジ色の切断線を3等分の位置(Edge Slideが0.0)に移動し、マウスの左ボタン(マウスの左ボタン)を押して切断を実行します。

  
スライド中にマウスの右ボタン(マウスの右ボタン)を押すことでも等分で切断することができます。
  
キーボードのESCを押すことでも等分で切断することができます。
7. ループ切断の確定
7. ループ切断の確定

上図のようにループ切断が確定され、メッシュが細分化されます。 このように、ループ切断ではメッシュを環状に細分化することができます。

続いても、ループ切断で細分化します。 X軸に沿って縦に4本の切れ目を入れます

8. さらに細分化されたメッシュ
8. さらに細分化されたメッシュ

上図のように切断します。 メッシュがより細分化され、面の数は46面にまで増えました。

ではここで、画面下部にあるステータスバーの右側に注目してください

9. ステータスバーに統計情報が表示されていない
9. ステータスバーに統計情報が表示されていない

上図のようにステータスバーの右側にはバージョン情報しか表示されていません。 Blender 2.8系まで表示されていた統計情報が表示されなくなっています。

  
Blender 2.8系までは、ステータスバーの右側に統計情報が表示されていました。 統計情報には、選択中のオブジェクトの頂点や辺および面の数などが表示されていました。

Blender 2.9系からは統計情報は標準では表示されません。 ここで設定を変えて、統計情報がステータスバーに表示されるようにしましょう。

10. ステータスバーを右クリックし表示されるメニューのScene Statisticsを実行
10. ステータスバーを右クリックし表示されるメニューのScene Statisticsを実行

上図のようにステータスバーを(1)のようにマウスの右ボタン(マウスの右ボタン)でクリックし、表示されるメニューの(2)の"Scene Statistics"を実行します。

11. ステータスバーに表示される統計情報
11. ステータスバーに表示される統計情報

上図のようにステータスバーに統計情報が表示されるようになります。 選択中のメッシュには面の数が46あり、そのうち24面が選択中であることがわかります。

なお、面に関する情報の左には、頂点に関する情報(Verts)や辺に関する情報(Edges)も表示されています。

ナイフ切断

では次に、ナイフ切断の機能を使ってメッシュを細分化してみましょう。 ナイフ切断は、クリック位置をつなぐように切断することができる機能です

今回は、Y軸に沿うように縦に1本の切れ目を入れます。 実はループ切断の機能を使う方が簡単なのですが、説明のためあえてナイフ切断を使います。

Y軸に沿って縦に切れ目を入れますので、上面図の位置に視点を移動しましょう。 キーボードのテンキーの7を押し、上面図の位置に視点を移動します。

1. 視点を上面図の位置へ移動
1. 視点を上面図の位置へ移動

上図のように視点が上面図の位置へ移動します。

では、ナイフ切断を行ってみましょう。 キーボードのKを押します。

  
"Knife" から連想して覚えましょう。
2. ナイフ切断モードに切り替わる
2. ナイフ切断モードに切り替わる

上図のようにナイフ切断モードに切り替わり、マウスカーソルがナイフカーソル(ナイフカーソル)に変わります。

次に、キーボードのCを押してカットスルーオプションをオンにします。 カットスルーオプションは、隠れている部分も切断するオプションです

  
カットスルーオプションのオン/オフは、Blender 2.9系まではキーボードのZキーに割り当てられていました。 Blender 3.X系からはキーボードのCキーに変更になっています。
3. カットスルーオプションをオンにする
3. カットスルーオプションをオンにする

上図のようにステータスバーでカットスルーオプションがオンになったことが確認できます。

続いて、切断線を引きます。 切断線は、マウスの左ボタン(マウスの左ボタン)を連続してクリックすることで引くことができます。 クリック点をつなぐ線が、そのまま切断線になります。

  
キーボードのSHIFTキーを押すことで各辺の中間点で切断することができます。
  
中間点での切断は、Blender 2.9系まではキーボードのCTRLキーに割り当てられていました。 Blender 3.X系からはキーボードのSHIFTキーに変更になっています。
4. SHIFTキーを押しながらメッシュの上と下をクリック
4. SHIFTキーを押しながらメッシュの上と下をクリック

上図のようにキーボードのSHIFTキーを押しながらメッシュの上の(1)の位置をクリックし、SHIFTキーは押したまま、続けてメッシュの下の(2)の位置をクリックします。

5. 切断線が引かれる
5. 切断線が引かれる

上図のように切断線が引かれます。 Y軸の線と重なって見づらいですが、赤い点をつなぐ線が切断線です。

キーボードのSHIFTキーを押しながらクリックしたことで、各辺の中間を通るように切断線が引かれています。

これ以上は切断線を伸ばす必要はありませんので、これで切断を確定しますキーボードのEnterキーを押します。

6. メッシュがY軸に沿って切断される
6. メッシュがY軸に沿って切断される

上図のようにY軸に沿って切断されます。 カットスルーオプションをオンにして切断したため、見えない裏側も切断されているはずです。 一応、そのことを確認しておきましょう。

まずは、メッシュが透けて見えるよう、3D Viewportのヘッダの透過ボタンをオンにします。

7. 透過ボタンをオンにする
7. 透過ボタンをオンにする

上図のように3D Viewportのヘッダの透過ボタンをオンにします。

上面図の視点ではわかりにくいので、キーボードのテンキーの6を4回、続けて2を4回押します

8. 視点を移動させる
8. 視点を移動させる

上図のように視点を移動します。 隠れていた裏側も切断されているのがわかります。

では、3D Viewportのヘッダの透過ボタンをオフに戻しておきましょう。

9. 透過ボタンをオフにする
9. 透過ボタンをオフにする

上図のように3D Viewportのヘッダの透過ボタンをオフにします。

10. 細分化されたメッシュ
10. 細分化されたメッシュ

上図のようにメッシュが細分化され、犬の胴体を形作るのに十分な面の数(62面)になりました。

次の記事へ

長くなってきましたので、ここで一区切りしましょう。 続きは次の記事を参照ください

  

まとめ

視点は、テンキーの操作で簡単に旋回(回り込み)させることができます。 初期設定では旋回(回り込み)の単位は15度に設定されています。

操作/コマンド 説明
4(テンキー) Z軸を中心に視点を左方向に旋回(回り込み)する
6(テンキー) Z軸を中心に視点を右方向に旋回(回り込み)する
2(テンキー) 現在の始点を基準に視点を下方向に旋回(回り込み)する
8(テンキー) 現在の始点を基準に視点を上方向に旋回(回り込み)する

TABキーでオブジェクトモードとエディットモードが交互に切り替わります。 エディットモードでは、メッシュを構成する部位を選択して操作を行います。 頂点で選択するか、辺で選択するか、面で選択するかは、頂点選択モードボタン、辺選択モードボタン、面選択モードボタンで切り替えます。

操作/コマンド 説明
TABキー エディットモードとオブジェクトモードを交互に切り替える
頂点選択モードボタン 頂点選択モードに切り替える
辺選択モードボタン 辺選択モードに切り替える
面選択モードボタン 面選択モードに切り替える
  
キーボードの 1 を押すことでも頂点選択モードに切り替えることができます。 同様にキーボードの 2 を押すことで辺選択モードに、キーボードの 3 を押すことで面選択モードに切り替えることができます。

エディットモードでは、他の面の後ろに隠れている部位を透過させて表示するかどうか・選択可能にするかどうかを透過ボタンで切り替えることができます。

操作/コマンド 説明
透過ボタン 透過のオン/オフを切り替える
※オンにすると他の面で隠れている部位が表示され選択も可能になる

細分化の機能を使って、面を増やすことができます。 Blenderの細分化の機能には様々な種類のものが用意されていますが、代表的なものがループ切断とナイフ切断の機能です。

操作/コマンド 説明
CTRL + R ループ切断を行う
(ループ切断中)
[数値]
ループ切断の切断線の数を指定する
K ナイフ切断を行う
※選択している面もしていない面も切れる
※隠れている面は切れない
※カットスルーオプションをオンにすると隠れている面も切れる
※SHIFTキーを押すことで各辺の中間点で切断することができる
(ナイフ切断中)
C
カットスルーオプションのオン/オフを切り替える
※オンにすると隠れている面も切れる
 
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