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胴体のモデリング(エディットモード)(その2)

  

メッシュを犬の胴体に近づける

前の記事の『胴体のモデリング(エディットモード)』からの続きです。 引き続き、エディットモードでのモデリングを行います。

メッシュが細分化され、より細かなモデリングが行えるようになりました。 ここからは、丸みを帯びさせ、前足側を太く、後ろ足側を細くすることで、形状を犬の胴体に近づけていきます

丸みを帯びさせる

まずは、丸みを帯びさせましょう。 最初に、水平に入れた2本の切れ目をX軸方向に広げます。 次に、Y軸に沿って縦に入れた1本の切れ目をZ軸方向に広げます。

切れ目を選択しますので、辺選択モードに切り替えます

  
キーボードの 2 を押すことでも辺選択モードに切り替えることができます。
1. 辺選択モードに切り替える
1. 辺選択モードに切り替える

上図のように辺選択モードに切り替えます。

では、まずは水平に入れた2本の切れ目のうち、上の切れ目を選択しましょう。

2. ALTキーを押しながら水平の辺をクリック
2. ALTキーを押しながら水平の辺をクリック

上図のように上の切れ目の任意の水平の辺を、ALTキーを押しながらマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

3. 上の切れ目が選択される
3. 上の切れ目が選択される

上図のように上の切れ目の線がぐるっと1周選択されます。 このように、辺選択モードでALTキーを押して選択することで、辺を環状に選択することができます。 環状に選択するこの機能は、ループ選択と呼ばれます

  
頂点選択モードでも、同様の操作でループ選択することができます。 面選択モードでは同様の操作をしてもループ選択とはならず、後ほど説明するリング選択になります。
  
ループ選択では他の面で隠れている部位も選択されます。 3D Viewportのヘッダの透過ボタンのオン/オフは影響しません。

続いて、下の切れ目も選択しましょう。

4. SHIFTキーとALTキーを押しながら水平の辺をクリック
4. SHIFTキーとALTキーを押しながら水平の辺をクリック

上図のように下の切れ目の任意の水平の辺を、SHIFTキーとALTキーを押しながらマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

5. 下の切れ目が追加選択される
5. 下の切れ目が追加選択される

上図のように下の切れ目の線が追加選択されます。 SHIFTキーも押したことで追加選択になりました

では、選択中の辺をX軸に沿って広げましょう。 なお、今回は1.3倍に広げます。

まずは、拡大縮小ツールに切り替えます。

6. ツールバーの拡大縮小ツールを選択
6. ツールバーの拡大縮小ツールを選択

上図のように3D Viewportの左端にあるツールバーから拡大縮小ツールを選択します(またはキーボードのSHIFT + スペースキー -> Sを押します)。

7. 拡大縮小マニピュレータが表示される
7. 拡大縮小マニピュレータが表示される

上図のように拡大縮小マニピュレータが表示されます。 エディットモードでの各種マニピュレータの操作方法は、オブジェクトモードの場合と同じです

今回はX軸に沿って広げますので、赤ハンドルを使います。

  
マウスが加工中心点から離れるように動かすと拡大し、近づくように動かすと縮小します。
8. CTRLキーを押しながら赤ハンドルをドラッグ
8. CTRLキーを押しながら赤ハンドルをドラッグ

上図のようにCTRLキーを押しながら赤ハンドルをドラッグします。 赤色の矢印はドラッグの動きを表しています。

  
3D Viewportのヘッダに表示される拡大縮小率が 1.3 になっていることを確認したら、マウスの左ボタン(マウスの左ボタン)を離します。
9. X軸方向に1.3倍に拡大
9. X軸方向に1.3倍に拡大

上図のようにX軸方向に1.3倍に拡大されます。

では次に、Y軸に沿って縦に入れた1本の切れ目をZ軸方向に広げます。 先ほどと同じく1.3倍に広げます。 ただし、拡大縮小マニピュレータやマウスは使用せずに、キーボードのみで拡大しましょう

10. Y軸に沿って縦に入れた1本の切れ目を選択する
10. Y軸に沿って縦に入れた1本の切れ目を選択する

上図のようにまずは対象の辺を選択します。 では、Z軸方向に1.3倍に拡大しましょう。 キーボードのSを押し、さらにZを押し、続けて、1.3 -> Enterキーを入力します。

11. Z軸方向に1.3倍に拡大
11. Z軸方向に1.3倍に拡大

上図のようにZ軸方向に1.3倍に拡大されます。

なお、キーボードから最初に入力したSは拡大縮小の開始です。 次に入力したZがZ軸方向への限定で、さらに入力した1.3が拡大率です。 最後のEnterキーは拡大縮小の確定です。

前足側を太く・後ろ足側を細くする

次に、前足側を太く、後ろ足側を細くします。 今まで使ってこなかった、面選択モードでやってみましょう

1. 面選択モードに切り替える
1. 面選択モードに切り替える

上図のように面選択モードに切り替えます。

  
キーボードの 3 を押すことでも面選択モードに切り替えることができます。

では、太くする前足側をぐるっと面で選択します。 今回は帯状に選択するリング選択の機能を使ってみましょう

2. ALTキーとCTRLキーを押しながら水平の辺をクリック
2. ALTキーとCTRLキーを押しながら水平の辺をクリック

上図のように前足側の任意の水平の辺を、ALTキーとCTRLキーを押しながらマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

3. 前足側の面がリング状に選択される
3. 前足側の面がリング状に選択される

上図のように前足側の面がぐるっと1周選択されます。 このように、面選択モードでALTキーとCTRLキーを押して選択することで、面をリング状に選択することができます

  
頂点選択モード・辺選択モードでも、同様の操作でリング選択することができます。
  
リング選択も、ループ選択と同じく他の面で隠れている部位も選択されます。 3D Viewportのヘッダの透過ボタンのオン/オフは影響しません。

では、選択した面を太くします。 Z軸方向に1.2倍に拡大しましょう。

Z軸方向に拡大しますので、青ハンドルを使います。

4. CTRLキーを押しながら青ハンドルをドラッグ
4. CTRLキーを押しながら青ハンドルをドラッグ

上図のようにCTRLキーを押しながら青ハンドルをドラッグします。 赤色の矢印はドラッグの動きを表しています。

5. Z軸方向に1.2倍に拡大
5. Z軸方向に1.2倍に拡大

上図のようにZ軸方向に1.2倍に拡大します。

次に後ろ足側を縮小します。 まずは後ろ足側の面をリング選択します。

6. 後ろ足側の面がリング選択される
6. 後ろ足側の面がリング選択される

上図のように後ろ足側の面をリング選択します。

では、軸方向は限定せずに0.8倍に縮小しましょう。

7. CTRLキーを押しながら円ハンドルをドラッグ
7. CTRLキーを押しながら円ハンドルをドラッグ

上図のようにCTRLキーを押しながら円ハンドルをドラッグします。 赤色の矢印はドラッグの動きを表しています。

8. 0.8倍に縮小
8. 0.8倍に縮小

上図のように0.8倍に縮小します。 これで、前足側が太く・後ろ足側が細くなりました。

なりましたが、前足側も後ろ足側も面で拡大縮小したため、変化がなだらかではありません。 ここからは、辺選択モードで調整しましょう

9. 辺選択モードに切り替える
9. 辺選択モードに切り替える

上図のように辺選択モードに切り替えます。

では、変化がなだらかになるように調整しましょう。 まずは、前足側から2本目の垂直の切れ目を選択します。

10. 前足側から2本目の切れ目をループ選択する
10. 前足側から2本目の切れ目をループ選択する

上図のように前足側から2本目の切れ目をループ選択します。

では、0.95倍に縮小しましょう。 キーボードのSを押し、続けて、0.95 -> Enterキーを入力します。

11. 0.95倍に縮小
11. 0.95倍に縮小

上図のように0.95倍に縮小します。

次に、後ろ足側から3本目の垂直の切れ目を選択します。

12. 後ろ足側から3本目の切れ目をループ選択する
12. 後ろ足側から3本目の切れ目をループ選択する

上図のように後ろ足側から3本目の切れ目をループ選択します。

では、0.9倍に縮小しましょう。 キーボードのSを押し、続けて、0.9 -> Enterキーを入力します。

13. 0.9倍に縮小
13. 0.9倍に縮小

上図のように0.9倍に縮小します。

ではここで側面図の位置に視点を動かしましょう。 キーボードのテンキーの3を押します

14. 視点を側面図に移動
14. 視点を側面図に移動

上図のように視点が側面図の位置へ移動します。 これまでの加工で、犬の胴体の形に近づいてきました。 ただし、後ろ足側の断面がもう少し狭いほうが良さそうです。 後ろ足側の端の線をもう少しだけ縮小しましょう

ただし、後ろ足側の端の線は、選択するのがちょっと面倒です。 なぜなら、端の線はループ選択することができないからです。

ループ選択は、4本の辺が交わる(交差点のような)頂点を直進することで機能します。 しかし、後ろ足側の端の線には3本の辺しか交わっていない頂点があります。 ループ選択は、3本の辺が交わる頂点で選択を停止してしまいます

15. 後ろ足側の断面のアップ
15. 後ろ足側の断面のアップ

上図のように後ろ足側の断面には3本の辺が交わる頂点があります。 そのためループ選択はできません。

ループ選択できませんので、マウスのドラッグで囲んで選択します。 その場合、ループ選択やリング選択とは異なり、3D Viewportのヘッダの透過ボタンが影響します。 透過ボタンをオンにしないと隠れている部位は選択できません

16. 透過ボタンをオンにする
16. 透過ボタンをオンにする

上図のように3D Viewportのヘッダの透過ボタンをオンにします。 これで、隠れている部位も選択できるようになりました

では、マウスのドラッグで囲んで選択しましょう。

17. 後ろ足側の断面を囲むようにドラッグ
17. 後ろ足側の断面を囲むようにドラッグ

上図のように後ろ足側の断面を囲むようにドラッグします。 赤色の矢印はドラッグの動きを表しています。 なお、この選択操作は失敗しますがあえて実行しています

18. 最初から選択されていた部位が拡大される
18. 最初から選択されていた部位が拡大される

上図のように断面は選択されておらず、最初から選択されていた部位が拡大されました。 原因は、拡大縮小マニピュレータの円ハンドルをドラッグしたことになったためです。 ドラッグ開始位置が円ハンドルに近かったため、円ハンドルが操作されました

ひとまずCTRL + Zを押して拡大を取り消しましょう。

19. 拡大が取り消されて元の形状に戻る
19. 拡大が取り消されて元の形状に戻る

上図のように拡大が取り消されて元の形状に戻ります。

さあ、どうやって後ろ足側の断面を囲めばいいでしょうか。 方法はいくつかありますが、今回は矩形選択で選択してみましょう。 矩形選択は、マウスのドラッグで囲む選択方法です。

矩形選択中はマニピュレータのハンドルは反応しなくなりますので、マニピュレータを気にせずに囲むことができます。

  
 
選択ツールに切り替えるという方法もあります。 選択ツールに切り替えれば各種マニピュレータは表示されなくなります。
  
 
3D Viewportのヘッダのギズモ表示ボタンをオフにすることでも各種マニピュレータを非表示にすることができます。

矩形選択モードはキーボードのBで開始します。 では、キーボードのBを押してください。

  
"Box selection" から連想して覚えましょう。
20. ガイド線が表示される
20. ガイド線が表示される

上図のようにマウスカーソルの位置に、垂直と水平のガイド線が表示されます。 このように、矩形選択モードに入るとガイド線が表示されます

では、先ほどと同じようにマウスのドラッグで囲んで選択しましょう。

21. 後ろ足側の断面を囲むようにドラッグ
21. 後ろ足側の断面を囲むようにドラッグ

上図のように後ろ足側の断面を囲むようにドラッグします。 赤色の矢印はドラッグの動きを表しています。

22. 後ろ足側の断面が追加選択される
22. 後ろ足側の断面が追加選択される

上図のように後ろ足側の断面が選択されます。 ただし、問題があります。 最初から選択されていた部位が選択されたままになっています。 これは、矩形選択ではSHIFTキーを押さなくても追加選択になるためです。

やり直すのではなく、最初から選択されていた部位を選択解除しましょう。 矩形選択ではマウスの中ボタン(マウスの中ボタン)でドラッグすることで、その範囲を選択解除することができます。

なお、矩形選択は一度のドラッグで終了します。 つまり、今はもう矩形選択モードは解除された状態です。 再度キーボードのBを押し、矩形選択を開始しましょう

23. 選択解除したい部分をマウスの中ボタンでドラッグ
23. 選択解除したい部分をマウスの中ボタンでドラッグ

上図のように選択解除したい部分をマウスの中ボタン(マウスの中ボタン)でドラッグします。

  
左ボタン(マウスの左ボタン)ではなく中ボタン(マウスの中ボタン)です。
24. 後ろ足側の断面だけが選択された状態になる
24. 後ろ足側の断面だけが選択された状態になる

上図のようにマウスの中ボタン(マウスの中ボタン)で囲んだ部分が選択解除され、後ろ足側の断面だけが選択された状態になります。

では、0.8倍に縮小しましょう。 キーボードのSを押し、続けて、0.8 -> Enterキーを入力します。

25. 0.8倍に縮小する
25. 0.8倍に縮小する

上図のように0.8倍に縮小します。 これで犬の胴体らしくなってきました。

次の記事へ

では、長くなりましたので、ここで一区切りします。 続きは次の記事を参照ください

  
  

まとめ

エディットモードで、キーボードのALTキーを押しながらマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)で選択することで、連続する環状の部位をまとめて選択(ループ選択)することができます。 ALTキー + CTRLキーを押すと、帯状に選択するリング選択となります。

操作/コマンド 説明
ALT + マウスの左ボタン(マウスの左ボタン) ループ選択する
※連続する環状の部位をまとめて選択する
※面選択モードではループ選択とはならずリング選択になる
ALT + CTRL + マウスの左ボタン(マウスの左ボタン) リング選択する
※連続する帯状の部位をまとめて選択する

各種マニピュレータの近くではドラッグで囲んで選択することができません。 その場合は、マニピュレータを非表示にするか、矩形選択モードを利用しましょう。

操作/コマンド 説明
B 矩形選択を行う
(マウスの左ボタン(マウスの左ボタン)のドラッグで追加選択)
(マウスの中ボタン(マウスの中ボタン)のドラッグで選択解除)
 
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